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ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

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のっとおんりぃ★ばっとおるそう

今日は日中、暖かかったなあ。
まあ、本格的な春は先だろうけど。

春になると思い出す・・・

上條淳士 / To-y



この漫画、始まりが高校入学直後、春の設定なんだよなあ。

‘80年代ロック漫画の金字塔ですね。
シャープな線のスタイリッシュな画風は、その後多くのフォロワーを生みました。
既に語りつくされていることですが、革命的だったのは、演奏シーンを全てサイレントで描いたことですね。
これが圧倒的勝因。
音楽を小説や漫画で取り扱うのはとても難しくて、楽器の扱いなどの考証がある程度合っていても、演奏シーンで音を無理に再現しようとしたり、まして歌っている歌詞が具体的に出てきてしまったら、途端に興ざめ。自分としてはこの時点で、その作品に対する印象はガクっと悪くなってしまいます。
どうにも描きづらかった『音楽』を、一切文字にしないとゆう逆転の発想で表現したのがこの作品の凄さ。読者はそこからイマジネーションを膨らませていきます。

主人公のトーイがパンク・バンドのヴォーカルとして活躍するのは全10巻中、2巻の前半までですが、インディーズ・ブームからバンド・ブーム前夜あたりの空気を的確に捉えていますね。
現在も存在する日比谷野音、中野サンプラザに加えて、西新宿時代のロフトや都有3号地なども登場します。
自主制作レコード、スタインバーガー、電子ドラム、レコード大賞の権威、アイドル歌手、河田町時代のフジテレビ・・・

歌謡界対ロックとゆう分かりやすい対立構造はすでに昔のこととなってしまった現在、若い人達にどこまでリアルに伝わるか分かりませんが、音楽が好きな方にはぜひ読んでもらいたい作品です。

トーイが芸能事務所に入る以前に住んでいた、雑居ビルの屋上に飛び出ている部屋。あそこに一人暮らしするのが憧れでした。ああゆう場所に実際住んでいる人っているんですかね?本来は管理人室?

作品で描かれているのは1年間弱の時間。春から翌年の1月までの出来事(エピローグは夏)。
そしてまた春が来ると、「トーイは今年もツアーやっているのかなあ・・・」と想ってしまいます。



あ~、あと、一堂零さんをはじめとする、『奇面組』のみんなも元気かなあ・・・と、想ってしまいます(夢オチ説について、ここでは無視する)。


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