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ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

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不思議Tokyoシンデレラ

ザ・ドアーズ / L.A.ウーマン (1971) 
The Doors/L.A. Woman



ジム・モリソン存命時、最後のアルバムである『L.A.ウーマン』は、“後期の傑作”という声もあり、ブルースを進化させたまっとうなロックバンドとしての使命は十分に果たしているが、私の中では初期2枚の持っているマジックにはもちろん及ばず、その多彩さが好きで聴いている中期のアルバムと比べても、再生頻度の低い作品である。

曲の好みもあるし、今まで意識していなかったが、1stから前作までプロデュースを担当していたポール・ロスチャイルドが関わっていないということで起こった、音像の変化のせいかもしれない。
それより何より、ジム・モリソンの声が、どうしても晩年の(といっても20代だが)、“太ったジム・モリソン”なのである。
自分としてはそれが一番大きい。
「このアルバムはキライ!」という程でもないが、ジムの声が変わってしまったので、他のアルバムに比べて、作品のが作り出す世界の中に入り込みづらい感じがする(シンクロ率?)。

しかし、アルバム終盤、『テキサス・ラジオ(The WASP)』が終わり、雨音と遠くで鳴る雷鳴のSEが聞こえてくると状況が一変する。
ジョン・デンスモアのライド・シンバルがリズムを導き、それにレイ・マンザレクのエレピが魔法のような旋律で続き、ジムが歌い始める。そのヴォーカル・ラインを輪唱のようになぞって、ロビー・クリーガーのトレモロがかったギターが入る。

そう、このアルバム最後の曲で彼らのラスト・シングル、『ライダーズ・オン・ザ・ストーム(Riders on the Storm)』だ。

終始、盛り上がることもなく、淡々と続く演奏を聴いていると、「この音が、このままずっと続いていかないかな・・・」と思ってしまう。
そしてジム・モリソンの声が、この曲に限っては初期のようなセクシーな声に聞こえる。
あくまでクールに、抑えたテンションで歌うジムの声は、“静かな狂気”を感じさせ、まるで聴く者を“あちら側の世界”に誘っているようである。
実際、このアルバムを作った後、ジム・モリソンは“あちら側の世界”に逝ってしまったのだが・・・

そうこの曲、ドアーズの中で一番聴く回数が少ないアルバムの最後に収録された『ライダーズ・オン・ザ・ストーム(Riders on the Storm)』は、ドアーズ全曲の中で一番、好きな曲である。

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