ホーズ・オブ・ゾンビーズ
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今回あらためて見返して、いろいろと当時の記憶も蘇ってきた。これらの映画ってTV版に対してかなり端折られてるんだけどね。それは仕方がない。とくに『ダグラム』なんて30分×全75話の物語を80分にまとめなきゃなんないんだもの。思うに、ファーストガンダムの、TV版全43話を劇場版三部作に編集するくらいが丁度いいんだよね。だから、『ガンダム』のTV放送が視聴率低迷で短くなったのも、ある意味マジックが働いていると思うんだなあ。後から考えると。それ以上長くなると劇場場三部作にまとまらないし、ア・バオア・クー以降を描いても蛇足だし散漫になってしまう気がする。
で、劇場版の『ダグラム』はガルシア隊が出てこないし、24部隊も、隊が殲滅される最期のシーンだけが出て来るだけだったんだ!と、いうのは、今回見返すまですっかり忘れていた。コンバットアーマーも、劇場版にはけっこう不出場の機首が多くて残念。しかし、個々のエピソードがカットされてしまう台所事情を逆手にとってというか、画像をモノクロに加工して記録フィルムのように演出、タイトルどおり、“ドキュメント”の体裁をとっていて、短い上映時間を上手く使っている。それが、政治ドラマとしての『ダグラム』を上手く回していた。
その反面、『ダグラム』って、コンバットアーマーの描き方が凄く残念。バーニアで跳躍するとか、ビームサーベルの類を登場させないで、リアル志向を強めたはずが、逆に脚力でのジャンプとか、コンバットアーマー同士の取っ組み合いとかを出さざるを得なくなるという、矛盾が生じてしまった。劇場版では、そこそこ観られるシーンがチョイスされているから、マシになっているけどね。TV版のみの出てくる、“24部隊版ジェットストリームアタック”みたいな戦術とかは、観ていてかなりヤバかったような気がする。
あと、言いたいのは、そうさねぇ、実写版を作るなら、デイジー約は佐倉しおりにお願いしたい。
『ザブングル』の方は、楽屋落ち的なギャグが今となっては寒い部分もあるけど、冒険活劇って空気、テンションが楽しかった。楽屋落ちってのは、80年代前半あたりから出てきた、時代の空気だな。TVのお笑いでも、コント55号やドリフまでは、作りこんだ笑いの裏側を見せなかったけど、『ひょうきん族』からそれが崩れてきて、とんねるずで完全に壊した。その空気が、『ザブングル』にも反映されている。「アニメだから」と劇中に言ってみたりして。
ジロンとその仲間をじはじめとする、生き生きとしたキャラクター達が活躍する様は、観ていて単純に楽しかった。物語の核心に迫る終盤が若干息切れ気味だったかな。大きい風呂敷が、からまってしまって上手く拡がらないみたいな。
今にして思えば、『ザブングル』って、アニメとプラモデルの関係が面白かったんだよね。『ガンダム』と違って、それより後発で、商品がリアル志向に振れていた時代。派生のメカじゃなくて、アニメの中で動いているメカが、アニメ上のそれよりかなりのディティール過多で作られていて、「タミヤかよ!」って雰囲気も醸し出しているという。これも時代の空気だねえ。
自分にとって、“ファーストガンダム以降、Zガンダム以前”って、特別な思い入れがあるので、今回見返した映画は、ダイジェストではあるけれど、当時感じていた熱も蘇ってきて良かったぞ。
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