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ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

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ブラッド・イン・ザ・プレイグラウンド

とんねるず / 大志



とんねるずの自伝、サクセス本、永ちゃんで言うところの『成り上がり』的な出版物。もちろん執筆ではなく語りおろしで、『天狗のホルマリン漬け』や2冊出ている『おいにい』のような笑いの要素はまったくナシ。
貴明、憲武が交互に登場し、自身の生い立ちからとんねるずとしての成功までを語っている。

双方の家庭環境を見ると、その後のとんねるず、芸能界でのポジションにつく必然性が見て取れる。
会社経営で成功し、カリスマ性にも富んだ父親の血を引き、さらに父の会社が倒産、夜逃げと貧乏生活も経験、番長だった兄のシゴキやしつけを受けて育った貴明のハングリー精神、行動力、人間関係の構築力。
一方、ごくフツウの家庭(自転車屋とゆう特徴はある)で育ち、帝京高校での話しとして有名なサッカーだけでなく、野球などのスポーツをなんでも器用にこなし、自分が主犯ではなく誰かを煽ることで騒ぎを起こすことが得意だった憲武の反射神経、身体能力とセンス。
そして2人とも、強豪校の運動部に在籍していたこと、さらに、もしかしたらレギュラーではなかったこともその後の活動に影響しているのかもしれない。

この本にも登場する、彼らが『お笑いスター誕生』より前、高校時代に出演した『所ジョージのドバドバ大爆弾』をリアルタイムで観た。私が小学生のとき、何十年も前の出来事だし、彼らが後にとんねるずになることは勿論知る由もなかったのでネタの内容などはまったく覚えていないが、観ていてけっこう笑ったことと、ネタの後に点数分の賞金を獲得するために行うゲームをクリアーできずに終わったのは薄っすらと覚えている。

「高校を出て就職した会社を辞めてお笑いの道に入りったはいいが、客層が合わなく、ウケなかった赤坂のコルドンブルーを半年でクビになった」とゆうくだりと、「事務所移籍時に契約上、仕事が出来なくてくすぶっていた」とゆう以外は、コンビとしての大きな挫折はないようだ。

貴明が中古のBMWを300万円キャッシュで購入した記述があるが、これはまだ世間的にはまったくのブレイク前、『オールナイトフジ』に出演するのはもっと後で、日本テレビを中心に出演していたぐらいのことだから驚き。まあ、今とは時代や景気もかなり違うが。

師弟関係もなく大きな事務所にも属していない彼らだが、先輩に可愛がられたり、ブレイクまでの節目や困ったときにちゃんとキーマンが現れて話が進んでゆくのは、やはりアンテナの張り方やコミュニケーション能力の賜物か。

このような本を出した時期には既に成功者とゆう位置付けがあったとんねるずだが、ちなみに『大志』が出版された1988年6月の時点では看板番組『とんねるずのみなさんのおかげです』は特番としての放送でレギュラー化していない。本当の黄金期はまだ訪れていなかったのだ。
そして、このようなタレント本は人気のピークに出て後から読み返すとかなり痛い部分があったりするが、2010年の現在に至っても、彼らは芸能界の一線にいる。もう番組で本格的なコントをやることはほとんどないし、とんねるず名義での音楽活動も久しくない状態になっている。そういった観点で見ると48歳の今、“アガッた感”のあるユルい活動ともとれるが、今でもそのキャラクターは変わらずに悪ふざけをつらぬいていたり、音楽はいろいろと別名ユニットを組んだりしながら・・・今も女装姿で暴れまわったりしている。






とんねるず 大志―だれだって成功者(KANE‐MOCHI)になれるんだとんねるず 大志―だれだって成功者(KANE‐MOCHI)になれるんだ
(1988/06)
石橋 貴明木梨 憲武

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